2011-01-01から1年間の記事一覧

ベトナム.

ビーチに打ち寄せる波の音を聞きながら、ゆっくりと30年前の論文を読んでいる.こんなのはサンタバーバラでポスドクをしていたとき以来なんちゃうやろか. ここはベトナムのQui Nhonという街で、日本から一日半かけてやって来た.Elastic and Diffractive …

ヒッグス粒子の探索:神と握手、なるか?

スカイライナーが、朝日が昇る前の東京から滑るように逃げて行く.昨夜はヒグス(ヒッグスっていうのが世間ではスタンダードかな)のCERNセミナをweb中継で観た.データの最終図を見ると、秋からさらにぐぐっと線が下に押しやられ、まさに除外領域がどんどん…

生死と素粒子論.

弘前の学会.素粒子論懇談会が終わった夜、飲みに出たら、居酒屋に素粒子論屋が集結していた.いろんなグループがたまたま、というか、狭い街に大量の素粒子論屋がやってきて学会をしているもんやから、必然的に、飲み屋が素粒子論屋で埋まるという恐ろしい…

高校生のまなざし.

会場に入ると、目を輝かせた高校生が立っていた.あっという間に、自分が高校生だった頃の毎日の楽しさがよみがえってきた.いや、高校生だった頃やないな、大学生やろか.会場の高校生達の科学的レベルは、既に大学生のそれに達していると言っても良かった…

重い中性子星.

再び、いやもう何回目だろう、韓国のAPCTPに来ている.三泊四日だの旅だが、えらく勉強になった.知りたかったことを一気に学べた.それもきっと、オーガナイザーの方々が議論中心の研究会にしてくださったからだろう.研究会は"From dense matter to conpac…

仁科センターBBQ.

研究者の顔が、一人の親の顔に戻る.笑顔のひととき. 理研仁科センターのBBQは、毎年、理研キャンパスの隣りにある諏訪神社の花火大会に合わせて開催される、大規模行事だ.200人ほどの、センターに関係する人たちが一同に会し、花火をみながらビールを…

ふー、サイエンスライブショー「ユニバース」にゲスト出演.

あらら、お父さんお母さん、口開けて寝てるやん. 科学技術館のサイエンスライブショー「ユニバース」に、ゲスト科学者として出演してきた.10分ほどの時間で、研究している内容などを聴衆に説明するコーナー.聴衆には、なんと1歳の赤ちゃんからおじいさ…

パリの森での議論。

パリの宇宙物理学研究所の講堂は、驚くほど古めかしい感じだった。昔の基研の大講義室を思い出す。いや、椅子の感じや天井の高さなど、それよりも古い感じがする。本当はいかほどに古いかは、ついに現地の人に尋ねる機会を逸してしまった。それもそのはず、…

パリの空の下で.

体調が優れないまま成田から発ち、パリの街に降り立った.外国出張するときにはいつも、心が興奮状態になるものだが、今回は違って、少し沈んでいた.いや、沈んでいたというより、なんと言うか、ホッとしていた.なんでホッとしているんやろ、と機内で振り…

超固体。

「超」がつくものは凄いに決まっている.理研のプレスリリースをtwitterで知ったのは、もう一ヶ月ほど前になる.そこには「超固体」の文字が踊っていた.理研の河野低温物理研究室.「超固体は存在する」 で、早速河野さんにセミナーをお願いしたところ、快…

反物質チョコ?本日、理研一般公開。

「はしもとせんせーい、反物質チョコ食べてくださーい!」の声に、娘と駆け寄ってみると、なんとそこには、は、は、反物質チョコが!!しかもいろんな種類があるではないか.おそるおそる手を伸ばしてみた.反物質なら手を触れたら手が消滅してしまうことも…

新たな思いで.

地震からもうすぐ一ヶ月が過ぎようとしている.原発事故の問題は、まだまだこれからである.震災のことはつらつら書くまい.研究記録として書いているこのブログには、生活も研究の一部と考えて書いてきた面もある.震災はそう言う意味で僕の人生に大きな影…

地震.

素粒子論グループ会員の安否情報を記入参照できるホームページを立ち上げました.関係者の方々、詳しくはsg-l 6306を参照してください.この作業に携わっている全ての方に感謝します.

展望会.

10分間という短い持ち時間で、今年一年の自分の研究を振り返り、来年一年の展望を語る、というのは簡単ではない.しかし、10分間に凝縮しないと見えないことがたくさんある.本郷の初田研で毎年開催しているらしいそのような会を参考にして、展望会と名…

RCNP。

古い雰囲気の講義室。緊張した雰囲気で覗くと、がらんとした静かな講義室が目に入った。一目見て、そこで講演をした前回の雰囲気がありありと思い出された。前回は研究会の中の招待講演として呼ばれ、楽しく話したものの、やはり超弦理論に興味の無いハドロ…

理研と、人の近さ。

理研に移って来て驚いたことは、人間の間の距離が近いことである。週末に、またそれを実感させてくれる出来事があった。 大学や研究機関のような巨大な組織に属していると、機関の中で自身のしたいアクションをとることは、自分の大きなプラスにならないとい…

育児と研究と。

娘が生まれて四週間になる。生活環境が激変したことで研究アクティビティを落としたら、それこそ最も自分が自分を嫌いになるので、分担育児を研究の技術にすり替える技術を着々と習得している。 思えば7年前に上の子が生まれた時は、全て妻に任せっぱなし。…