東北大学でセミナー。

帰りの新幹線で書いている。仙台に来るのは久しぶりだということが分かったのは、東北大の研究室の新しい建物にまったく見覚えがないというのを感じたときだった。確かに、前は吉岡に呼んでもらって来たときだとすれば、それはもう5年ほど前のことになる。いや、その後に学会があったかもしれない。何しか、仙台駅に降り立ったときは懐かしい気持ちがよみがえってきたが、東北大の昔の古びた研究室を想像していたので、実際に美しい新しい建物を見たときにはかなり驚いた。

セミナー後にかずぼんさんや綿村さん、石川さんなどにいろいろコメントをもらう。コメントをもらって新しい視点で考えてみると、新しい方向性も浮かぶものだ。少し調べてみようと思う。おいしい夕食をご馳走になって帰途に着く。東京から仙台までは一時間半あまりと、実は非常に近いことにも驚く。

昨日、どうもむなしいむなしいと読後感を書いていたのが頭に残っていて、なんでむなしいと思ったのかを今日は少し考えていた。すぐに分かったのは、結局インド行きとは全然関係ないということ。出張のアレンジがうまく行かなかったということが単にきっかけになっていたに過ぎない。それと、振り返るとポジティブになるのが僕の思考の特徴だが(つまり忘れやすい)、今日考え直してみると、長い研究の区切りがそろそろやってきているという点が大きな要因になっている気がする。今日セミナーで話した平山との話ももう二年やってきた話だったし、今の共同研究も一年以上前に始まったプロジェクトで、それが大詰めを迎えている。研究というものは、やり始めた頃、そして山を越える発見のあったころが一番面白いと思うもので、いくら面白い研究も、一度分かってしまえば、あとはだんだんと当たり前に思えてくる、というのはどんな人も経験し感じることだろう。僕の研究も例に漏れず。今やっている研究をいかに面白いと思っていたか、どういう点に展望を感じていたか、などを振り返ってみると、意外と効果的だった。今日はセミナーでそういう自己反省ができたような。初心に戻りつつ発展的計算ができるのが非常に望ましい。今日は東北大のセミナー室でセミナー前に少しした計算の途中、そういうことを考えていた。