ハワイ学会から帰ってきた。

学会での発表は、思ったより非常に出来が良かった。こんな風に発表の後に思うということなんてめったに無いので、それはそれは幸せなことだ。緊張しすぎなかったというのも良かったのかもしれない。なにせ、学会の初日の始めのセッションにいれてもらえたので、緊張がその分少なかった感じがする。それと、何回も英語で発表した話だし、それで多少のことは聞かれてもきちんと自信をもって正確に英語で答えられる感じがしていたし、多分一番重要だったのは、今まで何回もこのADHMの話をたくさんのところでしてきて、聞いた人がどのあたりを重要に思うかをあらかじめ把握していたというところだと思う。時間も、一時間のセミナーではなくその半分程度なので、それ向けにきちんと要点のみ分かるトラぺに工夫して、それがうまくいった。それにしても、こんなにうまくいくことは珍しいので、その後の学会滞在もなんというかとてもリラックスして過ごせて、大変有意義だったように思う。

色んなひとと色んなことを話せるというのは学会の楽しいところだが、今回はアメリカと共催というだけあって、アメリカの人と話ができたというのも楽しみの一つだった。Watiとは最後の夜にバーでいろいろと語ることが出来て、久しぶりの感触だった。Intrilligatorには、結局我々の論文が正しくて彼らのがその部分が間違っているということを確認できて、それで一つ肩の荷が降り、それも良かった。などなど。

学会ということだけではなく、アメリカには、特別な思い入れがある。それを再確認した旅でもあった。たまたま持ってきた、昔に読んだ懐かしい本が、実はハワイを訪ねるところから始まっているということを再発見したりして、それとあいまって、懐かしい感情がこみ上げた。ハワイのホテルそばのスーパーに入ると、並んでいる品々の大多数からいろいろと思い出される思い出があり、そしてドライブしていて思い出される風景があり、いろいろ視界に入る細かい細かいことが、僕の心を揺さぶっていた。

最終日、色んなトークを聞くのに疲れて、会場のすぐ目の前のビーチに座り込んだ僕は、ハワイの波の音を聞きながら、うとうとと眠り込んでしまった。足が波に濡れてしまってはっと起きるまで、幸せな気分を味わってしまった。また、アメリカに行こうと思った。やっぱり、こういう海を見ると、サンタバーバラとだぶってしまってしかたがない。