KEK研究会。

KEK研究会に月曜日から三日参加してきた。えらく面白い研究会だった。原子核の人との交流は、大変刺激的で、勉強になることがとても多かった。研究会は質問がたくさん出て、しかも弦理論側とハドロン側の人たちが相互に議論されて、とても有意義な研究会だったように思う。少なくとも僕はそう感じた。自分の発表でも得るものが多く、終わってからいろんな人と話をさせてもらう。特に、初田さんのコメントは大変ありがたかった。そやかて、そんなフェーズ聞いたこと無かったから・・・ハドロンの世界は、歴史の分、奥が深い。それにしても、研究会ではまたいろんな人と久しぶりに会って、話に花が咲いたが、それが研究会の目的の半分なので、それも嬉しかった。

僕の本を買ってくださったという方が多いのに驚く。特に、M1の人たちが本を読んでくれて、Dブレーンにとっつきやすくなっている、というのには、涙が出るほど嬉しい。ありがたい話だ。

研究会のおかげで、そして論文を出せたおかげで、新しい研究の芽が出来つつある。嬉しいことだ。

あさってからはMITへ。BrownとPerimeterでもこの話をする予定で、どんな反応が飛び出すやら、楽しい楽しい。二週間の海外出張は久しぶりな感じがする。去年はStringsに行った位で、あとは出張といえば国内の研究会+セミナーがほとんどだったので、いろいろと旅行した記憶はあるが、外国じゃなかった。外国に行くと消耗したり家族と長期間離れて過ごすことになったりといろいろあるけれど、MITは何度もたずねたところだし、Watiもいていろいろと議論しているから、ぜひ楽しく滞在して研究したいと思う。

ところで、この文章を業界の人がどのくらい読んでいるかわからないけれど、僕は10月から理研に移ることになりました。

駒場で助手をしてもう6年目。駒場は、はっきり言って、研究環境の面ではすばらしいところだ。それでも理研に移るのは、やっぱり、どっぷりと自分の研究ばかりの毎日に身を置きたいという欲求が理由。理研が大学と違うのは、授業や会議が無いということ。一方で駒場を去るということは、学部教育からの刺激とか、院生との交流とか、そういうものを失うということになる。結局未来は分からないのだから、損得を天秤にかけることなんて出来ない。移れるときには移る、というか、自分の環境を変えてみたいというのはあった。結局、駒場を去って理研に移るということがどういう意味を持つかは、何年か過ぎた後に過去を振りかえってしか分からないし、未来は自分が築くものだから、これから新しい環境でますますがんばるしかない。そういう意味で身も引き締まり、理研に行くのをとても楽しみにしている。

これからもみなさんよろしくおねがいします。