出張帰りの新幹線の中にて。

どうも新幹線の中は仕事がなぜかはかどる。今週金曜日の駒場物性研究室のトラペ作成の最終段階がここで仕上がってきた。まあ阪大での日帰りセミナーの帰りで飲んだ後でもあるので、なんというかいろいろと大胆な構想になってくるのは少しお酒が入っているからだろうか。なにしかスライドは出来てきたが、飲んだ後だということだし、また明日にでももう一度スライドを見直す必要がある。

今日のセミナーは大変心地よく、時間を延長してしまってとても恐縮したが暖かく迎えていただいて、楽しかった。たくさん質問をしてもらうと、それはそれはセミナー冥利に尽きる。結局一番最後の計算のところははしょってしまったけれど、心は通じたと思いたい。

先週はAllenがはるばるWisconsinからやってきてくれてたいそう楽しかった。彼のセミナーはなかなか楽しく、基本的なところからじっくり話してもらったので、三時間という長時間ではあったけれど、いろんなことが良く分かってよかった。彼とはケンブリッジを訪問していたときからの家族ぐるみの付き合いなので、家に呼んで歓談した。イギリスでの生活は、まさに生活スタイルの違いからいろいろととても苦労したけれど、彼が研究室にいてくれたからこそ乗り切れたという思いがある。外国で、少しでも親しい人が一人いる、ということは何より大事なことだ。ああやって知り合って、今度は理研で一緒に時間をすごせることが嬉しかった。

今週はたくさんビジターの方がいらっしゃっている。Bum-Hoon Leeさんは、大学院生の時代からとてもお世話になった方で、大変お忙しい方ではあるけれど、理研でのんびりしていただきたいと思っている。奥様に、彼とは古い付き合いなんだよと紹介してくださったときは嬉しかった。初めて韓国を訪ねて、カルビを食べに連れて行ってもらったのを覚えている。そこではいろんな人と友達になり、異文化交流を人生で初めて体験したから、Leeさんは今の僕を形作るのに非常に影響を受けた人の一人であることは間違いない。そして今回は、共通の興味であるホログラフィックQCDの議論が出来るのが嬉しい。ホログラフィックQCDといえば、もう一人のビジターのDahrさんだ。僕はこのDahrさんが、あの論文のDahrさんだとは知らず、彼と挨拶したときに「お前のようなこの問題の専門家と議論するために来たようなもんだ」と笑いながら言われてはじめて気がついた。というわけで、それからはずっとタキオンの件で議論している。もうすぐ論文が出るそうで、その内容をセミナーしてくださったのだが、もちろんタキオン作用などの一般的な問題点を除けば(まあそこが問題なのだが)、なんというか、いろいろとうまく行っているように見える。むぅ。

出張やらなにやらでスカイプの議論が出来ない。今週はもう一つ、駒場セミナーやし・・・・