理研セミナーなど。

月曜日は福間さんに来ていただき、三次元YMのKN的解析の研究を詳しくセミナーしていただく。夏の研究会でもレビューをしていただいたのだけれど、やはりセミナーで詳しく聞けるのに勝ることは無い。さんざん分からないところを全部質問して、たくさん議論してもらった。面白い方向性についてアイデアを教えてくださって一緒に考えていただいたり。いやーその方向、ほんまやったらすごい話やで。しかし、こういう本質的に場の理論でしかも双対性などの「仮定」を全然使わない正攻法で、こんなにいろんな結果が出るんだから感動する。弦理論でいろんなことをやってきて、仮定していることに頼りすぎるあまり、それがもはや家庭ではないような気もしてしまうことが良くあるのだけれど、もちろん、仮定してそのように得られた結果が、そうでない正攻法でどう理解できるかということは、常に心の片隅においておかないといけないはずなのだ。しかし、どうも、計算の中に埋没してしまうと、そういう視点が欠けてしまう。もちろんKNの話なんて僕は専門家ではないので、詳細はきっと時間とともに忘れてしまうかもしれないけれど、手法と成果、そして問題点はきちんと記憶しておかなければならない。僕はたまたまグルーボールの研究をしていたので自分の中でも分かりたい分かりたいと思っていたことが福間さんの話の中に多く見つけられ、それらが美しく導出されているのを見て、おおすごい、そしたらそれを使ってあれができるんだろうか、これもできるんだろうか、と、想像ばかりが先走ってしまう。そのような質問と議論に付き合っていただいていろいろと教授してくださった福間さんに感謝したい。

今日はStaudacherさんのセミナー。駒場時代にあったことを覚えてくださっていて嬉しかった。確かに、一度会った人の顔は忘れないとの評判どおりや。ようやく、三年前のあのときに自分がした質問を思い出したけれど、結局はその問いは岡村君たちの論文で解決されていたわけで、三年間というのは長いようで速い。Staudacherさんのセミナーは要点を得ていて、素人には助かった。いろいろと分かっていないこと、何が仮定されているか、を教えてもらって、なるほどなるほどと思う。帰りは電車の中で少し議論させてもらう。アインシュタイン研究所をいつか訪ねたいと思った。

昨日夜は、どうも計算がうまく行っていないので悩む。ファクターだけ合わない。なんでだろう。そのほかExponentや定性的なところは全部あっているのに。何か見落としているか、それとも根本的に間違っているかだけど、明日ちょっと考えて分からなければ、また共同研究者に投げてみることにしよう。TeXでノートを書いてまとめようとすると、思わぬところにわかっていないところがあったと発覚して、こういうことになる。重要だ。

来週は「超弦理論と宇宙」研究会。