金浦空港にて。

短い二泊三日のソウル滞在も無事終わりそう。搭乗口に着いて、ホッとしたのか、肩からスッと力が抜けて、どっと疲れが出た感じがする。

金浦空港に来たのは10年ぶり。院生の時はまだ仁川空港がなかったから、飛行機は全部金浦空港に到着。飛行機を降りたときの空港のあの雰囲気を未だによく覚えている。キムチのようなあのにおいと独特な古い空港の雰囲気。けれども、今回金浦空港についてみたら、非常に美しく改装されていて、かつての独特な雰囲気は全くなくなっていた。ちょっとさびしかった。

KIASに来るのはとても久しぶりのような気がする。前に行ったのはいつだろう、もう5年ぶりくらいかもしれない。地図も何も見ずに地下鉄の駅から歩いて直接KIASアパートにいけるほどよく覚えていて、全然変わっていないように見える街を歩く。ああ、このハンバーガー屋でえらい緊張しながらハンバーガーこうたなぁ、とか、ああ、この小さい店で牛乳とバナナかってしのいだな、とか、このパン屋の店員は英語しゃべってくれたなあ、とか、いろいろと10年前のことを思い出す。そうこうしているうちにアパートに到着し、無事KIASに到着した。Ki-Myeongやたくさんの人、日本人の方々に会う。

talkはあまり緊張しすぎずにうまく話せた気がする。BergmanやBermanがとても興奮していたので、ある意味うまく言ったのではないかと思う。Bergmanとひとしきり議論する。Bermanとはアパートをシェアしたのだが、「お前の話は非常にtantalizingだ」とのお褒めの言葉をもらった。トークのプロットで意図した反応が返ってきて嬉しかった。ほかにもいろんな人にコメントをもらう。自分であまり考えていなかった一般化の方法を数人の人が尋ねてきたので、ひとつのことを考えすぎていると頭が固くなっているということに気づく。しかし残念ながら、頂いたコメントではどうもすぐに改善は難しいことが議論で判明した。「ABJMが「使える」ということを初めて具体的に示しているね」とのコメントは、そういう動機でもやっていたので、嬉しかった。IPMUでも頂いたコメントだった。

ヒュンセクに久しぶりに会う。それで彼が飲みに連れて行ってくれるというので、喜んでついていった。ホンマに久しぶりで、ほそみっちゃんや日本人のPDのたちと楽しい夜を過ごさせてもらった。10年前にソウルで初めて出会ったヒュンセクとまたこうして飲んでいるのがとても不思議で、嬉しかった。

最終日は研究会の予定が変更になって遠足になってしまった。革靴しか持ってきていなかったので、遠足には参加せず、急遽Sogang大学に行かせてもらうことにした。Bum-Hoonに誘っていただいていたのだけれど時間がなく断っていたので、これはいい機会だと思って。これまた10年ぶりに訪れたSogang大学は、新しいビルが増えてモダンになっていたけれど、あのときに歩き回った運動場がそのまま残っているのを見て、ずいぶん懐かしい気分になった。2時間ほどセミナーのような形で議論をさせてもらって、コーヒーを飲んだ
り、セミナーに出たりして、飛行機の時間ぎりぎりまで懐かしく楽しい時間を過ごしてしまった。Bum-Hoonの人柄が人を集めてこのCquestが成功しているんだなということが良く分かった。10年前は、もっと静かな場所だった印象がある。

韓国は初めての外国の研究滞在だったので、思い出が多い。まあもう10回くらい来ているはずなので、そのせいもあるかもしれない。もう、外国に来ているという気があまりしない。きっとまたすぐ来ることになるだろうなと思いながら、Sogang大学を後にした。

いろんな発表や論文の完成の後で、えらく気が抜けてしまった。ちょっと週末はのんびりしたい。出張予定は相変わらず、だんだん増えている。信州、京都、上海、ヘルシンキという感じだ。このところ、どこに行っても「やせたんじゃない?」と聞かれてしまうので、良く食べて体力つけないと。