先端中間子セミナー。

理研の岩崎研のセミナーに呼ばれて話をした。割と好感触を持っていただいたようで、大変嬉しかった。もちろん、弦理論の詳細は一切話さないので、わかっていただいたというより、感触を持っていただいたということになる。大雑把な概念を伝えることを中心にしたので、細かい点についてものすごく省いたため、もしそこにゲージ重力対応の専門家が居たらお叱りを受けたかもしれない。しかしゲージ重力対応、超弦理論の、どの側面を切り取って非専門家に伝えるかというのは、おそらく研究者個人個人で相当異なるのではないかと思う。セミナー後にいろいろとお話をさせていただき、それも楽しかった。それにしても、一年半も理研にいて、研究本館でつい一つ階が下の岩崎研にまったく今まで縁を作ろうとしなかったというのが残念。今回はよい機会になって、ありがたかった。

昨日はAkiとHoratiuとしこたま議論をした。Akiに会うのはほんまに久しぶり。前に駒場に来ていただいて以来やから、3年ぶり?くらいになる。今度Madisonでお世話になるので、まあ詳しくはそのときに話せるよねといいながら、いろいろと詳しく議論をしてしまった。こないだのgauge mediationの論文のことや、ABJMなど。彼の元気さは相変わらずだったけれど、それよりむしろ嬉しかったのは、昔の動機をそのまま彼は温存していて、最近の話題でも問題意識の持ち方が僕にかなり似ていることだった。それはすなわち、Dブレーンの形を問題にするということで、久しぶりにそういう話題に花が咲いた。10年ぶりに同じテーマに戻ってみると、新しい観点もいろいろとあり、それがなんとも愉快だった。しかしもちろん、すぐに昔の問題が解決するかというと、そうではない。まあいろいろ調べてみることは出来るねぇと話し、それが今後どう進展するかは全くわからない。

Akiのところへ行く前には駒場に寄って、物性の先生に物性の基礎を教えてもらう。きっとM1で勉強するようなことなので、お尋ねすること自体ずいぶんおこがましいのだが、ずうずうしくお邪魔してしまった。教科書を読んでいてもよくわからない、分野全体の感触などを教えてもらって、非常に助かった。自分の中でおじゃまむしの精神は関西に忘れてきたような気がしていたけれど、ちゃっかり自分の隅に残っているらしい。もっとおじゃまむしをしたいと思う。ほんとうにおじゃまにはならないように気をつけないと。って、もういろんなところで邪魔をしている可能性も高いねぇ。質問に来た人がいたとして、ほんまに忙しくてじゃまでも、そうは言わないもんねぇ。それに、僕は言われていたのに気づいてない可能性も大。

来週はもう学会が始まる。いい加減、スライド書き始めないと。イランのビザを申請に行かないといけない。ようやく書類が整った。うまく発行されるかな・・・インドのときは大使館4往復でひどかったから、その悪夢がよみがえる。今回は2往復で済ませられるといいねんけど。

KEKの研究会は楽しかったようで、お土産話をいろいろと聞かせてもらった。温故知新。