快適に計算。

昨日の沈んだ気分からの反動か、今日は朝からてくてくと計算する。朝、電車の中で、研究室についたらこの計算をしようと思っていたことがあったのだけれど、研究室に着いて、計算を始めるために机の上のノートの束をよけて整理しようとしたら、別の研究の、数週間前のノートが転がっている。これって、係数一致したんやったっけ、とか思い始めたらそちらのモードになってしまった。

それでそのまま一日計算。いろいろと試してみて、なかなか面白い偶然の一致とかが出てきたんだけど、まあそれもあまり目的とする物理には意味がなさそう。やっぱしこの路線では無理かな、と、今日いろいろと計算して思い至る。結局元から難しいことをやろうとしているプロジェクトだったような気もする。手を動かしていろいろ袋小路に迷い込んで、ようやくそういうことを悟る。入り口を間違っていたかも、と。もちろん今日一日の探検ではそう判断は出来ない。もう少し周囲を探検してみないといけない。しかし、重要な文献が見つかって、そこでも同様の困難が指摘されているし、新しく手を動かすと、そういう風に今まで見過ごしてきた問題の大きさを悟ることになる。

明日からは学会。どうも僕の話すセッションが、小林益川セッションの裏番組になっているようだ。残念やけど、小林益川セッションは出られない。今回は原子核の方も出たいセッションがあり、しかも素粒子の中でも出たいセッションが複数あって、さらに、会場の建物も異なるときている。どないしよ。腹をくくって一つのセッションに集中するか、それとも、建物の間の移動で走るか・・・

真夜中に起きだして、カリフォルニアに電話をする。時差7時間で、カリフォルニア次官の朝に電話を暮れと言うのは難しい注文だが、起きて電話をしていろいろ分かって良かった。あちらでの三週間の生活も、なんとか形が見えてきた感じがする。この出張こそはのんびり出張しようと思う。いつも出張はバタバタしているので、出張から帰ってくると、バタバタしたなあという印象が一番大きい。それって、達成感と共に虚脱感が・・・

帰り道、和光市駅までいつもの道を歩いていると、高校生が空を見上げて携帯で写真を撮っていた。そちらを振り向いてみると、なんと小さな積乱雲が。ビルの間で切り取られたその空だけ、まるで夏のようだ。いつも考え事をしたり論文を読みながら歩いていると、下ばかり見て歩く場仮になっていることに気づいた。それと、空を見て写真を撮るという感性も薄れているかもしれない。サンタバーバラで、たぶん空を見る感性は磨かれるに違いない。それだけでなくて、いろんな感性、物理の感性、も磨きたい。