忘れ物。

家の鍵を研究室に置き忘れてしまったので、今日から出張なのだが理研に取りに戻る。朝、出張の準備を全部し終わって、さあ出発、と思ったときに、鍵が無い。それで妻に職場の昼休憩に家に戻ってもらい、鍵を閉めてもらって、家を出て理研に向かう。いつもは、忘れ物が多いのは偉大な物理学者の証拠だ、とも(勘違い風にだが)思ってもみるのだが、今日はあまりに情けなく思った。

しかし、鍵を忘れて家にいたおかげで、一つノートをカバンに入れ忘れていたことに気づき、ノートを忘れずに済んだ。めでたいめでたい。いや、だからといって、鍵を忘れたから良かったということでもない。なぜかと言うと、結局、こういうごたこたがあったにもかかわらず、傘を忘れている。これは、家を出て数分歩いてから気づいた。あかんわ。

しかし、忘れ物を取りに理研までの道のりを歩いていると、いいこともあった。家を出るまでは、絶対に解決しそうに無いと思っていた問題が、実はトリビアルに解けることに気づいた。なーんや、気にせんでいい問題やん。ははは、転んでも(忘れても)ただでは起きへんのよ。まあ、忘れ物をしたことと、アイデアを思いついたことは、実は全然相関が無いかもしれない。しかし、相関があったことに(勝手に)しておく。

伊藤さんのADHMの講義を聞く。何でうまく行っているのか、不思議なんだが、それでもうまく行っているのよねぇ。寺嶋さんと論文書いたときも、結局SUSYのおかげでうまく行ってるんだろうな、という感じの感触だったのだけれど、それ以上には、なんでうまく行くのか良く分からない。

関連論文が続々とarxivに出現するのには参る。まあ仕方ないと思うしかあるまい。新しい方向性を考えてみると、いろいろ議論して教えてもらって分かることもあり、楽しい。よく暖めて、とりあえず計算してみないとな。

阪大の集中講義に突入。果たして、面白いと思ってもらえるような講義になっているだろうか。聞く人のレベルは多様やからみんなに喜んでもらえるというのは無理やろけど、それでもねぇ。どうも全然自信が持てないので不安ばかりが募って仕方がない。それで、計算をしてみたりこうやって日記を書いてみたりして不安を忘れるようにしている。発表前に緊張するのはいつものことで、そういうときには時間を忘れるように工夫するしかない。今回は緊張しているというより、講義内容の不安が大きく、時間を忘れるようにすればいいという感じでもない。発表内容は万全だと思っていても直前は緊張はするもんで、そういう緊張は、例えば音楽を聴くとか、で紛らわすことにしている。今回はそういう緊張ではなくて、うーん、どうも・・・ま、なるようにしかならん。結局のところ、講義の内容はともかく、阪大の皆様にお会いできるのが楽しみ。それで、皆様の前で、自分の好きなことをいくらでもしゃべっていい時間をいただけるというのは、やっぱり幸せなことなわけで、不安とか緊張とかゆうてるほうがバチがあたる。

たこ焼き食うでぇ。