議論議論。

なかなか日記がかけないくらい忙しいというのはすばらしい。もちろん、物理で忙しいという時のみ、すばらしいというわけだが、今はそういう感じで、もちろん今日も忙しいのだけれど、日記をずっと書かないのも体に悪いので、少し電車の中の時間を利用して書いている。先週はずっと計算していた気がする。それで、今週はずっと議論している気がする。こういうのは物理屋的に非常に精神衛生上良い。今日も原子核の方のところまで議論に出かけてゆく予定で、すこぶる健康的な一日になりそうな気がする。

一日議論をするとやはりかなり体にこたえている感じがする。まず、帰り道で駅の階段を上るのが億劫になる。それで、夜に娘日本を読んでやろうと思っても、議論をずっとしていたせいで喉がおかしくなっていて、億劫になる。どれも、無理というわけではないので実行するわけだが、億劫になってしまっていて、体が力を振り絞って議論しているのがよく分かる。それでも議論を続けるということは、物理の議論はむしろ仕事というより麻薬である。仕事が麻薬というのは恐ろしく楽しいことなわけで、理論物理学者というのはそういう種類の人間の集合だと思う。

けれど大学院生の頃と比べると、このところは自分の体の調節がわりとうまく出来るようになってきたと思う。どんなに短くても5時間は寝るし、それでそういう無理をした日の次の日とかは、長めに寝るようにする。家族とも休日はほぼ完全に物理のことを考えないようにして休息をとるし、平日でも、帰宅して玄関のドアを開けたら、頭を切り替えて、少なくとも夕食後までは物理のことを考えないようにしている。昔はそういうことが一切出来ていなくて、結局、物理の結果についても効率の悪いことをずっとしていたと思う。僕にとっては、朝決まった時間にきちんと起きるというのは、物理をするために必要なことだということを、長い時間かけて学んできた。もちろん、そうで無い人もいるし、人によって効率の上げ方はぜんぜん違うだろうね。

和光市駅に着いたのでこれで今日の日記はおしまい。来週は基研研究会。たのしみやわ。