東工大原子核理論を訪問。

東工大はもう何度訪ねたか回数が分からないほどお邪魔しているが、ほぼすべてが素粒子論研究室の訪問で、(一回だけ白水さんとお話したことがあったからそれは素粒子ではないとしても、)結局原子核理論研究室には行った事が無かった。ついお隣の研究室なのに、やはり研究テーマに関係が薄いとなかなか訪ねることも無かったのは仕方が無い。教はセミナーに招いていただいて、東工大原子核理論研究室でついに「デビュー」させていただいた。

昼食会にもお邪魔したのだけど、ほのぼのとした昼食会がなんとも良い感じであった。自己紹介もさせていただけて、原子核理論の業界に知り合いが少ない身としてはありがたかった。セミナーではたくさん質問をいただき、足りない点を教えていただいたりした。やはりSkyrmionとの対応が良い酒井杉本模型は、Skyrmionを研究されていた方にはよく理解していただけるようで、セミナー後は岡先生のお部屋でじっくりと議論させてもらった。混合の問題を教えてくださり、ずいぶんためになった。

原子核理論の方々の前でのセミナーはいつもビクビクしてしまって、というのは僕とは物理の常識が違う人たちだから、常識の違いでとんでもないことを言ってしまったりしないだろうか、常識はずれの説明をしてしまわないだろうか、全く通じない用語を使ってしまわないだろうか、と不安になる。今回は昼食会に参加させていただいて、その不安は少し軽減された。研究室の方々と知り合いになれたのも良かった。

こうして原子核理論の方と研究を通じてお話しすることで、今後の研究の方針への示唆も得られ、論文や教科書を読むのとは全く違う経験をもっとしていかなくてはと強く感じた。

東工大のキャンパスは入り口のあたりの木のデッキが美しいのだが、このところ入り口を大規模に工事しているので、無残な感じになってしまっていた。ただ、霧雨の中に立ってデッキから一号館のほうを向くと、緑に囲まれた大学の雰囲気が強く匂ってくる感じで、やはり美しかった。