物理学会。

甲南大学は、緑に囲まれたレンガ造り風のきれいな建物が並ぶ、こじんまりした美しいキャンパスだった。駅からは少し離れているが、てくてくと山のふもとの神戸の道をのんびり歩くのはとても心地いい。東京と違って、まず人が少ないという事実に、気持ちが落ち着く。それで、山が見えるということに、安心する。阪急電車は昔通学には使っていなかったのであまりなじみがないはずなのに、どうも馴染み深い感じがどうしてもしてしまうのは不思議だ。また、典型的な関西帰り症候群とでもいうものかな。キャンパスの門をくぐって会場の教室に入ると、なじみの顔ぶれが見えて、いつもの学会の雰囲気になっている。当たり前か。

原子核の重力双対について学会では発表した。アイデアを分かってもらおうとかなり短いスライドにしたつもりで、予定通り10分で終了。質問もたくさんいただく。Crucialな質問もいくつか。時間の都合で講演内容に入れられないことだったので、質問で聞いていただけてよかった。その後、興味の近い研究者の方といろいろと議論させてもらう。新しいことを教えてもらったり、で、来た甲斐があった。

それにしても素粒子論懇談会にこんなに人がいないのはなんでだろう。僕が院生だった頃とは大違い。まだ10年ほど前のことなのに、あの頃は、懇談会の会場が座れないほど人で埋まっていた。三者若手の集まりを終えてから闖入する僕ら若手たちが座るところがなかったくらいだ。素粒子論懇談会がこんなんやったら、これから素粒子論グループどうなるんやろう。

阪神電車に乗ると、甲子園でちょうど阪神戦が終わったところか、黄色いメガホンを持った、ものすごい数の阪神ファンが乗り込んできてすし詰めになる。六甲卸を歌い出さんとばかりにみな興奮している。それを見るだけで血がたぎってきた。祝3位、CS近し!

さ、はよ論文の直しと、ハイパー核研究会のトラペをせんと。

CFLの論文http://arxiv.org/abs/0909.1296をついに出した。これについてはまた今度書くことにしよう。面白いよ。