核子多体系の行列模型。

CERNに来ている。共同研究者の飯塚君が呼んでくれたのだが、これは、飯塚君とPiljin Yi と一緒にやっている新しい論文を仕上げるためだ。仕上げるといっても計算は全部済んでいて、ドラフトもほとんど完成していて、先日のIPMUの研究会で既に内容も話してしまった。タイトルは"A Matrix Model for Nuclear Forces(仮)"です、ご興味のある方は是非読んでください、宜しくお願いします。

幸いにも、先日駒場2010研究会の会場で、この行列模型が面白いと声をかけてくださった方が数人も。とてもうれしかった。そやかて、自分でもむちゃ面白いと思っている話について、その物理の面白さを共有できることが出来るというのは、やっぱり嬉しいでしょう。共同研究者の飯塚君と、この行列模型の夢を語り合ってきたのだけれど、それが論文という形になって、嬉しい。タイトルには核力という言葉が入っているけれど、もちろん夢はそれだけやない。ここでその可能性をたくさん書きたいのは山々やけど、それはネタばれになるし飯塚君や自分のこれからやりたい研究にも関係するから書かないことにする。けど、IPMUの研究会でいただいたコメントには、かなりそれとオーバーラップするものもあって、歴史的なことも含めてとても面白いので、がしがしと議論を進めたい。

IPMUの研究会は「素粒子屋と物性理論屋の対話」ということがメインテーマだっただけに、自分の講演がどうフィットするのか気がかりやった。けどそれは気にしすぎやったということが判明。講演のすぐ後で、物性理論の方が僕のところにいらっしゃって、いろいろと類似性のある物性模型の話などを教えて下さった。驚いた。楽もちろん僕には、物性の絶縁体模型の話などすぐに理解すべくも無いのだけれど、むしろ、物性の方が我々の行列模型を楽しんでくれたんやということ自体が、大変ありがたかった。物性理論の方がおっしゃるように、こういう方面にもし広がりが出るような模型なら、ほんまに嬉しい。