新研究室。

sg-lに先ほど文章を流したのだが、新しい研究室の構築がだんだんと進んでいる。毎日えらくばたばたと忙しいが、非常にやりがいがある。PD四人の方に来ていただいて、4月からいよいよスタート。みなさま、宜しくお願いいたします。研究室ホームページはこちら理研基礎科学特別研究員と学振特別研究員(PD)の応募をお待ちしています。

月曜と火曜は、ペタコン(次世代スパコンと呼ぶのが正確らしいが)の戦略研究会+新領域の研究会に参加してきた。次世代スパコンのマシン性能は、数値計算を使わない僕にとってはほとんど推測するしかないが、現在素粒子原子核天文関係で日本にある共同利用研究所のスパコンに比べれば桁違いの性能であるということの他無い。誰しもその能力を使って新しい研究成果を求めるのは当然のことと思うし、参加した皆さんの発表を聞いていると、このスパコンを使って世界一の研究を成し遂げてやるんだ、世界をリードしてやるんだという熱気がかなり伝わってきた。特に天文分野の方の発表では、これこれこれだけのスパコンリソースを使えばこのような計算が出来従って世界をリードする研究がこれだけ出来、これだけの成果が上がる、といったかなり具体的で定量予測的な講演には、非常に確かなものが感じられ、逆に驚いたほど。僕のやっているような研究ではなかなか半年先のことも予測できないだけに、大規模計算を使うプロジェクトの将来予測がいかに大変かはよく分かる。一方で、大規模計算を使わない僕のアプローチとの対比も明らかだった。

次世代スパコンの話を月曜日には大量に聞いて、夜の懇親会では様々な分野の方とざっくばらんに話をする。スパコンにかける夢の話や、分野を超えての共通の問題意識の話(例えば教育や研究環境に関する話)、ついで(?)に自分の研究と絡む話、Twitterの話など、たくさん。楽しい交流会だった。やはりこういう企画が無いと、なかなか隣にいる研究者とも具体的な話が進まない、という感覚が皆にあるようで、研究を深くしようと思えばタコツボの恐れがある、すなわちバランスが大事である、という宇川さんの挨拶は大変もっともに思えた。

火曜日は新領域の研究報告の研究会で、非常に広い分野の話をたくさん聞く機会に恵まれた。なんとも、どれを聞いても、自分の研究と道がつながっていると感じるから不思議だ。ブラックホールから出るジェットの話から、チャーモニウムと核子の束縛状態まで、ほんま面白い。それで、参加者の人と色々と議論したり意見交換したり。発表ではわりとみなさんに興味を持ってもらえたようで、ひとまず成功としておこう。行列模型の簡単さ、伝わったかな。