核子の三体力。

本日、飯塚君との論文をアーカイブに上げた。核子行列模型による近接三体力の導出。ようやく、ここまで来たという感じ。昨年に飯塚君と中務さんと出した論文では、三体力は扱っても、スピンをうまく指定できないという残念なところで挫折。それから、行列模型を提案し、行列模型ならではの簡明さで、ようやく、超弦理論から三体力を出すことができた。
アブストラクトを和訳しておいてほしいとの要望があったので、非専門化向けに和訳しておく。「P.Yiとともに前回提案したホログラフィックQCDの核子行列模型を用いて、近距離における三体核力を計算した。スピン平均し並んだ中性子、並んだ中性子中性子陽子、並んだ中性子陽子陽子、のいずれの場合においても、三体力は正、すなわち斥力であることが判明した。このことは、中性子星の核などの高密度中性子系、ヘリウム3核、三重水素原子核、において核の斥力芯が二体力のみで得られるものよりも大きいことを示唆している。」
三体力を計算するための行列模型は、たったの3×3の行列の量子力学である。手続きも簡単。それで、いろんな場合に計算してみたら、期待されている符合が出るというのはたいそう驚いた。それより驚いているのは、自分の論文のアブストラクトに、トリチウムとかいう言葉が入っているということ。超弦理論やのに・・・(笑)
今日はついに、自身の本の英訳が完成。毎日副都心線でパソコン開いて、ノルマを課して・・・よう続いたわ。一年以上かかった。形になると、うれしい。最後のコンパイルのときは、プルプルと指が震えたよ。これ、本になって手に取ったら、またそえはそれで感動するんやろなあ。楽しみやわ。