衛藤君研究会。

先週土曜日は、衛藤君主宰の研究会が開催された。多数の人に理研に来ていただき、大変盛況だった。はるばる遠方から参加していただいて、感謝。そして、活発な議論がなされて、嬉しい。「ソリトンとQCD」と衛藤君は研究会のタイトルをつけたのだけれど、この言葉だけでこんなに色々なアプローチがあるのか、と思うほど、それぞれの講演はバラエティー豊かだったと思う。それほど、ソリトン素粒子理論のさまざまな面に浸透している、と言うことも出来るし、一方、QCDは結局難しくていろんなアプローチが存在するという風にも言える。そうとは分かっていても、これだけ様々なアプローチをダイジェストで一日で聞けたというのは嬉しい。

衛藤君は「QCDはソリトンの宝庫」という言葉を印象付けていたが、衛藤君の列挙したQCD関係のソリトンといったら大変な数で、これまでのソリトン研究の深さと広さが感じられた。全部勉強していたら人生が終わってしまう。非線形運動方程式の古典解でエネルギーの局所化しているもの、というだけで特徴付けられるソリトン、様々な形があってしかるべしなのだが、同一のソリトンが異なる理論の様々な側面で活躍していたりと、数理的な共通性から世界が広がるのは楽しい。物性で使われていたかと思いきや量子重力でも出てくる、とかね。次元の違う物理が関係するのも、局所化するソリトンならでは。そういう意味でも、衛藤君の解説は楽しかった。参加してくださった皆様、ありがとうございました。

先週は月曜日から水曜日まで基研に滞在して、重力と宇宙論のワークショップで講演をしてきた。ええ、宇宙論と全然関係ない講演をしました、しかしですね、重力の話なわけです。4次元ではないけど。わりと、原子核の重力双対を考えるというアイデアの流れは聴衆に分かっていただけたのではと思う。

昨日は高柳君の明快で楽しい講演。セミナーの後に色々な議論で盛り上がって、大変楽しかった。

気がついたら7月は講演が5つも入ってしまっている。準備どうしようか。それぞれ微妙に、聴衆の専門性とトータルの講演時間が全て違うようだから、それぞれ対応せねばならないが、全部、楽しくなりそうなのは確か。一つ一つ作っていこう。

2階の新研究室は、今日覗いてみたら、天井がほぼ完成していた。明るくて嬉しいな。完成が本当に楽しみ。