計算をバリバリ。

このところ、よぅ計算してるわ。二つの論文が、最終段階に。楽しい。それぞれ、共同研究者との議論で計算の大枠と論文の主張が決まって、あとは様々な補強や主張の計算、ここまでやれば、というのが見えている。すばらしい。大変楽しいので、寝る時間を削る羽目になるわけだが、体調を崩してはいかんので気をつける。

一方で計算ばかりに時間を使っていられない理由は、明後日は本郷の初田研でセミナー、など講演の準備が。初田さんのところからは、先日のIPMUでのセミナーと同じ内容で話してよいとの優しいお言葉を戴いたので、あまり準備の必要は無いと思っていた。しかし、聴衆が違うのにスライドが同じというのは不可能。という当たり前のことにやっぱり気づく。で、当たり前だがメッセージをがらりと変える必要が出てきて、書き直している。弦理論を用いた、多体核子を扱う新しい手法の提案。是非原子核理論やハドロン理論の方々に宣伝したい。IPMUでセミナーをしたのは先々週だったが、この二週間の間にも色々と想いは巡る。うーん、計算したい・・いや、正確には、計算したいものが多くて、困る。

もう一方の講演タイトルは『空間の次元は3か?』とすることにした。木曜日には高校2年生が20人も、研究室にやってくる。そちらのスライドのこと。ぼちぼち準備をし始めた。学習指導要領が色々と変わっていて、球の体積を習う学年が中1とか高1とか動いている。前提として良い知識がどこにあるのかを把握しなければスライドは書けない。幸い球の体積や表面積は仮定してよいようだ。助かった。これなら電界を習っていなくても何とかなるかもしれない。うむ。研究室のセミナー室が高校生で一杯になる日が来るとは。

金曜日は仁科センターの研究を部分的にでもオーバービューできるmeetingに傍聴参加。たしかに色々とオーバービューが聞けて楽しかったが、それより、発表の方のいくつかの言葉が実際に自分の研究に直接跳ね返ってきたのに驚いた。そういうことを予想して臨んだmeetingではなかったので、嬉しかったと同時に、びっくり。知りたいと思っていることを常に頭の片隅においておくと、それに近い話題に接触したときに逃さないようになれるのかもしれない。それを実現するためには、経験的には、知りたいことをいくつか用意してもたくさん用意しすぎてはいけない。それと、何故それを知りたいか、そして知りたいことの間の関係、それらを整理して見ておくことも準備として重要なようだ。これらの経験法則は、利用すればうまく行くことを知っている。例えば、自分の知りたいことが二つあって、それらには全く関係がないと信じきっていたときに、他の人との議論でいきなりそれがくっつくことが分かる瞬間がある。そのような瞬間は物理には非常に重要。動機が違っていた場合にはくっつかないと信じている場合が多い。そして、何故知りたいかを事前に客観的に見ておけば、もっと早い段階でくっついていたはずなのに、と思うことが多い。「気づいたら当たり前」とかいう前のレベルで。反省を生かしたいと思い、経験から自分への教訓を書いてみた。難しいんだが。