重い中性子星.

再び、いやもう何回目だろう、韓国のAPCTPに来ている.三泊四日だの旅だが、えらく勉強になった.知りたかったことを一気に学べた.それもきっと、オーガナイザーの方々が議論中心の研究会にしてくださったからだろう.研究会は"From dense matter to conpact star in QCD and hQCD"という名で、名前に"hQCD"つまりホログラフィックQCDが入っている通り、中性子星と弦理論との接点も大きな課題として入っている.分野の専門家の話にとことん首を突っ込んで議論できるのは大変幸せだ.

ポハンにはもう何度も来ているので、行くのも慣れたものである.釜山の空港からポハンまで直通バス、そこからPOSTECHまでタクシー.飛行機もバスもずっと寝つづけ、離着陸も気づかぬほどに熟睡したおかげで、ふだんの睡眠不足はかなり解消された.ここにまた戻ってきたな、そんな感覚を覚えながら、いつもの大学内ホテルにチェックインする.キャンパスの芝生は、記憶のものにも増して青々としていた.美しい.
講演は研究会の最初だったが、思った通りたくさんの質問をいただいて議論になり、いただいた一時間ではスライド10ページ、つまり半分までしか進めなかった.で、午後に議論セッションを作っていただき、残りの10ページのスライドの講演と議論をさせてもらった.関連分野の専門家にとことん自分の作用を見てもらえて議論してもらえるほど嬉しいことは無い.項の物理的な可能な意味付けなどは、やはり分野が違う人が見ると全く違うもので、面白い.
研究会に行ってベストなのは、自分の研究成果の議論が出来ると同時に自分の興味ある分野との関連を発見し議論で深めることが出来ることだろう.このふたつが完璧にそろうことはあまり無い.この意味で今回の研究会は大変良かった.この半年ほど知りたかったことが眼前に与えられた感じがした.いくら論文を読んでいても、専門が少し違うと理解するのは非常に困難になる.分かりやすく話してくださる方に教えてもらいそこで質問と議論が出来ることは、必須なのである.
それにしても、この重い中性子星は、すごい.ほんま、えらいこってでっせ.